2011/03/15

国鉄千葉動力車労働組合の緊急声明

労働者の力で被災地を救援しよう!

全ての原発を撤廃せよ! 震災解雇許すな!

生きぬくために闘おう!

(1)

3月11日に起きた巨大地震は、東北地方をはじめ東日本全域に大規模な災害をもたらしている。どれほどの生命が奪われ、今もどれほどの人々が救援を待っ ているのか、未だ被害の全貌すらつかめていない。今も刻々と生命が失われているのが現実だ。ほとんどの避難所で十分な水も、食物も、電気も、医療体制も確 保されていない。それどころか、冷却装置が機能しなくなって暴走する福島原発は、二度の爆発を経て、時々刻々危機的事態を深刻化させている。
政府の被災対策は破産している。今こそ労働者の団結した力で、生きさせろと必死に叫ぶ被災地を支援しよう。

(2)

今回の地震とその後に襲った津波は、確かに予想をこえるものであった。だが、「10年以内に99%の確立で起きる」と予測されていながら、充分な地震対 策はとられてこなかった。それどころか、この間進められたのは、「競争原理と自己責任の原則」を掲げ、地方を打ち棄てていく新自由主義政策であった。地方 自治体の財政はのきなみ破綻し、地震対策どころではなかった。被害の恐るべき拡大はその結果もたらされたものである。
福島原発で起きている事態は、まさにそれを象徴するものだ。冬空の最中、半径20㎞以内に住む住民は、かろうじて倒壊をまぬがれた家からも追われてい る。無数の住民が被曝している。政府や電力資本は、「絶対安全だ、クリーンエネルギーだ」と言って「地震の巣」の上に原発をつくった。それは真っ赤なウソ であった。原発建設は資本にとって巨額の利益をもたらす打出の小槌であり、政府が進める核武装政策の要であった。しかしそれが何をもたらすのかが最悪の形 で暴かれたのだ。

(3)
今、被災地に向う幹線道路は自衛隊に制圧されようとしている。心を痛める多くの人たちが支援物資を積んで現地に向かおうとしているが、「救援ルート確 保」の名のもとに阻まれている。最低限の物流も止められ、すでに3日、被災地どころか首都圏のスーパーの食料品の棚は空っぽの状態だ。自衛隊だけが闊歩 し、救援活動や被災地への救援物資の輸送・避難所への配布は一向に進んでいない。それどころか、被災地沖には米核空母「ロナルド・レーガン」が到着した。 今も何万という人たちが瓦礫の下に埋まり、各地で孤立して救援を待っているというのに、治安対策が全てに優先されている。こんな現実のもとで、「国難に全 国民の団結を」とあおられ、戦時体制がつくられようとしている。
(4)
とくに原発事故については、明らかに全ての情報が操作され、真実が隠されている。1号機、3号機の激しい爆発までが、大して深刻な問題ではないと発表さ れている。大量の放射能が漏れ、メルトダウンに向って進んでいるというのに必要な情報は何も開示されていない。
全ての力を結集してメルトダウンをくい止めなければいけないというのに、政府と東電は事ここに至っても、原子力政策を維持することだけを考えているのだ。

(5)

今回の大震災に対し、民主党・菅政権、自民党、公明党などが「政治休戦」と称して手を結び、「復興増税」「子供手当等の廃止を財源に補正予算を」「企業 融資」「復興融資」等の震災対策を打ち出そうとしている。断じて許せない。目を逸らしたくなるような被災地の壊滅状況をも利用して、さらなる全面的な収奪 でこの危機をのり切ろうとしているのだ。
地震と津波で全てを失った労働者や農民・漁民・中小企業の事業者に融資を受ける余地など残ってはいない。必要なのは、住宅と生きていくことのできる収入、医療を無条件で保障することだ。廃止すべきは子供手当ではなく防衛費だ。

(6)
東日本全域ですでに無数の労働者が職を失っている。震源地から500㎞も離れた千葉でさえ、ベイエリアは全面的に液状化し、道路や建物はひび割れ、コン ビナートでの大規模火災が発生している。国土の半分が深刻なダメージを受ける未曾有の事態の中、日本経済は壊滅的な打撃を受け、その全てが労働者への全面 的な攻撃となって襲いかかろうとしている。大震災をきっかけに膨大な労働者の解雇、大失業の嵐が吹き荒れようとしている。大震災は全てを一変させようとし ている。
労働者が置かれた現実は、震災前の時点で臨界点をこえようとしていた。この1年余り起きていたのは、社保庁の民営化・解雇、日航の指名解雇、郵政での非 正規労働者数千人の解雇等、首切りの嵐であった。無数の労働者が非正規職、ワーキングプアに突き落とされ、社会保障制度が解体されて、その日その日をいか に生きるのかが精一杯の状況の中、今回の大震災が起きたのだ。そして大震災が、生きるための最後の一線さえ奪おうとしている。
世界の支配者たちは、日本経済の崩壊が世界に波及し、進行していた大恐慌とそれへの怒りの声の噴出が世界を覆い尽くすことを恐怖している。
ちょうどこの時、われわれは新自由主義攻撃に立ち向かう全国運動を開始していた。それは労働者の怒りの声と結びつき、組織して、労働運動の変革をめざす壮大な挑戦への出発であった。それが待ったなしに問われる情勢が到来したのだ。
(7)
今こそ、生き抜くために闘おう。労働者の力で被災地を全力で救援しよう。全ての被災者に無条件で住宅と食物と医療を保障せよ。全ての原発を直ちに停止・ 撤廃せよ。吹き荒れる震災解雇を許すな。今こそ新自由主義攻撃に断を下そう。菅政権を打倒しよう。労働組合がその先頭に立とう。

2011年3月14日

日刊動労千葉 第7120号へのリンク

36万人の福島の子どもたちの命と健康を守るため、全国の力でみんなの拠り所となる診療所を建設しよう

福島診療所建設委員会

36万人の福島の子どもたちの命と健康を守るため、
全国の力でみんなの拠り所となる診療所を建設しよう

 子どもたちを放射能から守るたたかいに心を寄せるみなさんに、福島の地に命の拠り所となる診療所を建設する運動へのご支援、ご協力を心から訴えます。
 福島第1原発事故は、広島型原爆168発分もの1万5000テラベクレルのセシウム137がまき散らされるなど、チェルノブイリ原発事故をはるかに越える深刻な事態となっています。
 警戒区域、計画的避難区域などから避難している12万人、自主避難の6万人が家や生活の糧を奪われ、県内の36万人の子どもたちが生活し、遊び、学んでいる地域の75%が、放射線管理区域(毎時0.6マイクロシーベルト)を越える放射能汚染地域となっています。すでに原発周辺から避難した子どもたちの尿からセシウム134、137が検出されるなど、子どもたちの放射線被ばく、とりわけ内部被ばくは重大な問題です。一刻も早く、すべての子どもたちを放射能汚染地域から避難させる必要があります。
 しかし、政府が避難の権利とその補償を拒む中で、子どもたちの被ばくを心配しながらも、経済上のことなどで福島での生活を続けざるをえないのも労働者の現実です。山下俊一福島医大副学長などの「年間100㍉シーベルトまでは安全」、「内部被ばくは心配ない」などという言葉を、だれも信じてはいません。
 だからこそ福島の母親たちは、文科省に押しかけ、経産省前に座り込み、子どもたちの命と未来を守るためにたたかっています。それは9月19日の明治公園の6万人の反原発の行動となり、全国、全世界へと広がっています。すべての原発をただちに止め、福島の子どもたちの命を守る行動をともに起こしていきましょう。

 今、福島で切実に求められているのは、心と健康の拠り所となる診療所建設です。
 福島の子どもたちは放射能汚染による被ばくに日々さらされ、心身ともに息苦しい状況を半年以上も強いられています。お母さんたちの心配も、除染で取り除かれるわけではありませんし、子どもたちをモルモットのように扱う医療機関などとても信頼することはできません。今このときに、「ひょっとしたら放射能の影響では?」と不安になったとき、すぐに相談できる診療所が身近にあればどれほど心強いことでしょう。
 チェルノブイリの子どもたちには、甲状腺肥大とホルモン異常、貧血、頭痛、心肺機能の低下、免疫低下、加齢化の加速的進行、そしてガンの発症など、放射能被ばくによる様々な疾病が報告されています。

 これまでの近代医学の概念を越えた幅広い総合的な取り組みが必要となります。
 予防医学の原則に立ち、人間本来の自然治癒力を促す代替医療をも視野に入れた総合医療と、防護を念頭においた食卓、暮らしの見直しなど、いわば「生活革命」をも提案できる開かれた場が不可欠でしょう。
 診療所建設は決して簡単なことではありませんが、全国のみなさんの力をひとつにできれば絶対に実現できます。

 実際に、広島、長崎の被爆者は、医療も生活も切り捨てられるなかで「人間をかえせ」の声をあげ、たたかうことで自らの命を守り、医療を取り戻してきました。
 広島市の高陽第一診療所がその一つです。1970年、広島で二十歳前後の青年が相次いで白血病を発症しました。彼らは被爆者の父母をもつ被爆二世でした。強い衝撃を受けた被爆二世の青年たちは、自らの力で拠り所となる医療施設をつくろう、と運動を開始し、1972年にプレハブ建ての高陽第一診療所が建設されます。
 この運動をともに支えた被団協の故小西ノブ子さんは、高陽第一診療所を「被爆者の心の窓」と語られています。同じく協力された大江健三郎さんは、「そこには、あきらかな、実践的なるものと、教育的なるものとの、『生命、生き抜くこと』をめざしての融合がみられた。」と、当時の新聞に著しています。それから40年、高陽第一診療所は多くの人々の生き抜くことの拠り所となってきました。
 まさに生き抜くために、このような診療所が今の福島には必要です。全国の医師、医療関係者をはじめ、全国の力を合わせて必ず実現しましょう。
 未来をつくる子どもたちが、被ばくを心配して生きなければならないことなど、絶対にあってはなりません。安心して集い、何でも相談できる診療所をつくることは、みんなの団結で命を守り、医療を取り戻すたたかいであり、すべての原発をただちに停止、廃炉にし、原発も核もない社会をつくる運動そのものです。

 福島の子どもたちの命と心の拠り所となる診療所建設のために、基金運動へのご協力はじめ、多大なご支援などをいただきますよう重ねて心から訴えます。

2011年12月1日

わたしたちが呼びかけます
●福島から
 清野 和彦(元福島県教職員組合委員長)
 佐藤 幸子(NPO法人理事長)
 椎名千恵子(未来を孕む女たちのとつきとおかのテント村行動)
 橋本 光一(国労郡山工場支部書記長)
 市川 潤子(ふくしま合同労組委員長)
 鈴木光一郎(酪農家、ネットワーク「ゆい」福島)
 佐々木信夫(桜の聖母短期大学名誉教授)
 渡辺  馨(福島県労働組合交流センター代表)
●全国の医師から
 吉田 良順(広島高陽第一診療所所長)
 杉井 吉彦(本町クリニック院長)
 松江 寛人(がん総合相談センター所長)
 吉本 哲郎(熊手町クリニック院長)
 末光 道正(八尾北医療センター院長、八尾市議会議員)
 布施 幸彦(館林厚生病院医師)

URL: http://www.clinic-fukushima.jp/

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